完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ時に知っておいた方が良い基礎知識のまとめ

完全ワイヤレスイヤホンは本当にたくさんの種類があります。安いものでは1000円台から、高いものだと30000円を超えるものまで、メーカーもSONY・AudioTechnica・JVCなどの日本ブランドから、Bose・Appleなどの海外ブランドなど、老舗オーディオメーカーもこぞって製品をリリースしていて、何を基準に選んでよいかわからなくなってしまいます。

まずは購入する価格帯を決定しなければなりませんが、それにしても種類が多すぎて決められないという方もいると思います。

そこでこの記事では完全ワイヤレスイヤホン選びの際に知っておくと良い基礎知識をまとめました。

主な対応コーデックの種類

イヤホンから出力される音声は圧縮された状態になることが多いです。この圧縮方式をコーデックと呼び、様々なコーデックが存在しています。

一番ベーシックなコーデックが「SBC」で、他のコーデックに比べると音質は落ちますが、その代わり圧縮率が高いのでデータ容量が少なくなります。

逆にLDACやaptXHDなどのコーデックでは情報量が多く、高音質ではありますが、データ容量が大きくなります。また、プレイヤー側で対応していない場合もあり、iPhoneはSBCとAACにのみ対応していて、AndoroidではaptXまでに対応しているスマートフォンが多いです。

SBC音楽再生時に必須の基本コーデック。16bit/48kHz再生に対応しているが、圧縮率が高いので、音質は普通。高音が弱いことが多い
AACSBCよりも高音質。iPhoneでも採用されている。比較的に遅延(レイテンシー)が少ないので、動画視聴にも向いている。16bit/48kHz再生に対応
aptXSBCよりも低圧縮なので、音質も良い。遅延(レイテンシー)も少なく、高音質のコーデック。16bit/48kHz再生に対応。
LDAC24bit/96kHzとハイレゾ相当に対応。SBCの約3倍の情報量がある。かなり高音質
aptXHD24bit/96kHzとハイレゾ相当に対応。aptXよりもビットレートが高く、かなりの高音質

オーディオコーデックは特定のオーディオファイルまたはストリーミングメディアオーディオコーディング形式に従ってデジタルオーディオデータを圧縮および圧縮解除するアルゴリズムを実装するコンピュータープログラムを指す。

Wikipediaより

防水防塵の等級を表すIPコードの見方

防水防塵機能のついている完全ワイヤレスイヤホンも多くあります。しかし、一言で防水(防水防塵)と言ってもその等級によって、どの程度の防いでくれるのか違いがあります。そして防水防塵機能はIPコードというもので表します。ここでは、そのIPコードの見方を確認しておきましょう。

IPコードの見方・・・防塵・防水の等級を表すIPコードの見方

例1:IP67・・・防塵等級(IP6X)+防水等級(IPX7)であるので、防塵・防水に対応している

例2:IPX5・・・防水等級(IPX5)にのみ対応している。防塵には非対応。

例3:IP6X・・・防塵等級(IP6X)にのみ対応している。防水は非対応。

保護等級内容
0級特に保護がされていない
1級鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)
wikipediaより

完全ワイヤレスイヤホンの左右の音切れ対策にはNFMI

完全ワイヤレスイヤホンは左右がケーブルで繋がっていないので、どうしても音切れする可能性があります。それを解消するために使われている技術がNFMIです。

NFMIとは日本語にすると「近距離磁気誘導」と言い、ワイヤレス通信における技術のことです。このNFMIに対応したモデルは、障害物の影響を受けにくく、音切れが起きにくいのです。

標準的な接続方法では、

スマホ →Bluetooth→ イヤホン左 →Bluetooth→ イヤホン右

とすべてをBluetoothで接続するわけですが、NFMIの技術を使うと

スマホ →Bluetooth→ イヤホン左 →NFMI→ イヤホン右

となるわけです。

NFMIを用いる事で、左右の接続が安定しやすくなります。

NFMI(Near Field Magnetic Induction)は、NXPセミコンダクタが開発した近距離磁気誘導技術です。一般的にワイヤレス通信は電波を空間に放射することで情報を伝達しますが、NFMIではコイルの中の磁界が変化すると電流が流れる「電磁誘導」を利用します。

NFMIは10MHz程度の周波数を使うため人体や水分による吸収が少なく、通信が途切れにくいという長所があります。ただしBluetoothやWi-Fiで利用される2.4GHz帯の電波に比べると到達距離が短く、1メートルほどの距離しか通信できないため、これまでは補聴器を中心に利用されてきましたが、左右のボディ(ハウジング)が完全に分離した「完全ワイヤレス」イヤホンに適した技術として注目を集めています。

マイナビニュースより

最後の決め手は装着感

やはり最後の決め手となるのは自分の耳にあっているかどうか「装着感」がとても大切です。可能であれば、大型電気店やイヤホン専門店に出向いて、実際に装着してみて試聴することがおすすめです。